山田 昌毅(Whoopee's)

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V.A京都ナウ!
BSCCD-001 \1,260税込
10曲入り
2005年7月9日発売
京都whoopee's
http://www.whoopees.net/
BACKSTAGEcorporat
http://www.backstage-co.com
water web
http://ip.tosp.co.jp/i.asp?i=water_6992
バックドロップのドラムとか彼女より電話する、みたいな。
後1週間もすれば祇園祭の山鉾巡行で世界中の活気を集めたような、またそれでいて京都ならではの風情を残した祭で人が溢れるであろう京都、祇園。しかし メインストリートである四条通りの突き当たり、八坂神社を右に曲がればそこには長年に渡って、年中若者の活気で溢れるスペースが存在する。そう、京都の バンドシーンを支え続けた老舗ライブハウス、京都whoopee's。今回は京都whoopee'sのブッキングマネージャーである山田さんに音楽との 出会いから現在に至るまで、またその仕事の中身、新しく始めたレーベルの話、等をじっくり聞いてきた。バンドマン、ライブハウスのブッキングマネー ジャー、レーベルのオーナー、と何通りもの顔を持つ山田氏。前編では音楽との出会い、学生時代を経てwhoopee'sで働くまでを追っていきます。
★今日は京都のライブハウスwhoopee's(以下ウーピー)のブッキングマネージャーの山田さんにお話を聞きに来ております。
山田(以下Y):よろしくお願いします。
★では最初はいつも同じ質問からなんですけど、音楽の出会いを教えてもらえますか?
Y:音楽との出会いは多分幼稚園ですね。兄貴が二人いるんですよ。だから兄貴が聴いてたモノを自然と聴いてた。“ジ・アルフィー”になる前の“アル フィー”は全部網羅してますね。
★(笑)僕は“ジ・アルフィー”が“アルフィー”だったことを今知りましたよ。
Y:(笑)アルフィーから入って、オカンが聴いてたサザンを聴いて。レコードの時代ですね。だから幼稚園ながらに背伸びしながらレコードに針を落とし て。“高価なモノ”ってことだけ分かってました。
★幼稚園でレコードって、早熟ですね。
Y:でも幼稚園の頃にはラジカセを使って自分の声を録音したりしてたみたいです。
★へ〜。
Y:なんかモノをいじるのが好きだったみたいです。まあ話ずれましたね(笑)
★いえいえ、大丈夫ですよ(笑)。じゃあそのままお兄ちゃんの影響で音楽は聴き続けた感じですか?
Y:そうですね。自分で買ったりはしなかったですね。兄貴が聴いてるものを聴いて。小学校の時にはボーイも全部網羅してて。ヤンキーとか中学なってボー イに盛り上がってる時には俺はもうボーイには飽きてた。
★それかっこいいですね。
Y:始めて買ったのはビーズかな。まだシングルがパキって折れる頃ですね。買っては折って、買っては折って。
★それは何のシングルやったか覚えてます?
Y:『太陽のKomachi Angel』ですね。
★いいですねー(笑)。じゃあその頃流行ってるJポップを聴いてた感じですね。
Y:そういうのを聴きつつ、売れる前のブームとかまだ4人やった頃のLRとか人気の出るまでの小沢健二とかも聴いてましたね。
★そういうのはどこから情報を得てたんですか?お兄ちゃんですか?
Y:う〜ん、LRなんかは自分で探しましたね。アルペンか何かのCMで流れてて「何か良い曲やな」って思っててCM見る度に誰の曲やろ、って。でもまだ 無名なんでね、CD屋に無いんですよ。何か中古屋で見つけて買いましたね。
★じゃあ小さい頃から周りの友達とつるんで一緒に音楽聴く、っていうより自分で聴きたいモノを聴く、っていう感じなんだったんですね。
Y:ほどよくみんなと話を合わせながら自分でも聴く、みたいな感じでしたね。
★まあそんな感じで中学校になって・・・
Y:中学になって、その辺の延長もしつつ、友達がビジュアル系を聴き出して。何や、ビジュアルって、と思いながらチラッと聴いたらエックスとかルナシー とかかっこいいな、って。かと言いながら宇徳敬子とかマニッシュとか流行のモノも聴いてました。ビーグラム系のシングルを買ってました。何かね、ビーズ のアルバムを買った時に、「あ、アルバムって面白くないな」って印象を受けて。シングルってCMとかになってて良い曲やけどアルバムは面白くないな、ア ルバムは買う意味ないな、って感じたのが中学生の時ですね。
★じゃあその時も邦楽をメインに聴いてたんですね。
Y:そうです。周りの友達はね、ガンズ&ローゼスとかスキッドロウとか。ミスタービッグとかエアロスミスとかね。
★そうですよね。
Y:僕未だに通ってないんですよ。
★あ、ハードロック聴かずですか。珍しくないですか?
Y:なんかね、友達の家で聴いた時に「長!!」ってイメージがあったんですよ。
★それは曲の長さがですか?
Y:そうそう。「1曲長!!」って。しんどいわ、って(笑)
★(笑)まあJポップのシングルとかに比べたら長いですよね。
Y:うん。「長!!展開多!!」って。「ギターソロ長!!」みたいな。そこから洋楽は俺には向いてないと。とかそんなこと言いながら、その時好きやった 牧瀬里穂が聴いてたバネッサパラディとかテレンストレントダービーとかは聴いてたんですけどね。牧瀬里穂と同じ気持ちを共有したいな、って思って聴いて みたり(笑)
★なるほどね(笑)。淡〜い思いでですね。
Y:意味も分からんけど多分良いんやろうな、って。
★その頃はバンドとかは全然してなかったんですか?
Y:あ、全然。小学校の時から歌うのが好きで歌いたいな、とかは何となく思ってたんですけど、自分がバンドするとかは考えたこと無かったですね。
★じゃあ何かスポーツとかやってたんですか?
Y:小学校の時から水泳と野球とラグビーを。
★じゃあ小さい頃は音楽っていうよりスポーツって感じですか?
Y:まあそこまで打ち込んでたわけでもないですけど(笑)。何がしたいか分からずって感じですね、まだその頃は。イチローくらいでしょ。小さい頃から何がしたいか分かって幼少時代を過ごす人なんて。
★そうですね。そんな感じで高校になって・・・
Y:なって・・・高校で出会った友達が・・・まあ今の一緒に仕事してるやつなんですけど。え〜・・・ちょっとその辺は飛ばしましょう(笑)。まあ高校でギターが巧いやつがいて、そいつはやっぱりミスタービッグとか聴いてたんですけど、ある時日本人の誰?っていうCDを持ってて。それはハイスタンダード やったんですけど。何も言われずに聴いて、僕は「あ、この外人は聴きやすい」って思ったんです。
★確かに外人と思いますよね。
Y:でも日本人やった。中の写真を見て「何や、こいつらは!!」って。見た目普通やん!!って言うか浪人生やん!!って(笑)。
★そうですね(笑)。
Y:ジーパンでTシャツで髪長くて。でもこんなにかっこいいこと出来るんや、って思って。しかもそれが日本人や、って。ちょうど『グローインアップ』が 出て、グリーンデイとツアーする、って。すごいな、日本人でもすごいやついるんや、って思って。“メロコア”っていう言葉が生まれた頃です。
★そうですね。
Y:僕らの時代はそんなの聴いてたのはほんの少しで。もちろんCD屋にも無いんで。『グローインアップ』とかはトイズから出てたんであったんですけど。 何かインディーズの情報誌でイートマガジンっていうのが京都に数冊しか入らない頃なんで。
★ブームが訪れる直前くらいですか?
Y:だいぶ前です。そういうCDを聴いてライブ行って。僕は恐いもの知らずなんで、楽屋行ったりして。
★マジっすか(笑)
Y:「良かったっす!!」って。「入ってきちゃ駄目だよ。」とか言われて(笑)。
★(笑)
Y:それで“インディーズ”っていう存在を知って。今やったら情報があるでしょ。ネットでも雑誌でも。でもその頃はそうじゃないし、フライヤーも無いから、とりあえずハイスタのCDの“THANKS TO”の欄を見るんですよ。そこには色々バンド名があるんで。その後イートマガジン見たら、何か見たことある名前があるなと。じゃあ買ってみよう、っ て。大阪のレスリングクライムマスターとか。そこでまた“THANKS”を見る。じゃあハイスタとかぶってるバンドがあって。で、また買ってみる。
★なるほどね。
Y:じゃあ今度シャーベットっていうのがかっこいい、じゃあ買ってみよう、とか。買って、ライブ行って、ジャケット見て、またCD買って・・・。それで また恐いもの知らずの僕は楽屋に喋りにいく。「良かったっす」って。もうそんなんの繰り返しですね。調べて、調べて。そんな中でリリースが遅かったのが スーパースチューピッドでしたね。でもCD出る時CM流れましたからね。あれはびっくりしました。
★へ〜。今の子でジャケットの“THANKS TO”の中からバンド探す子なんて絶対いないでしょうね。
Y:あれが最大の情報源だったんでね。
★ですよね。
Y:それで雑誌とかでもバックドロップボムのアルバムリリース、だからわざわざ取り寄せてアナログ1枚買って、かっこいいからそれを友達に貸して、っ て。でもね、音源は何とか手に入れてもライブで来ないんですよね。
★大阪にはですか?
Y:そうそう。で、たまたまこのウーピーにコークヘッドヒップスターズとスーパースチューピッドのツアーで来てて、その翌日の大阪にはバックドロップが来ると。コークヘッドヒップスターズとスーパースチューピッドはここで済ましてバックドロップのために大阪に行くんですよ。で、やっぱり話しかけるんで すよ。「今日はバックドロップ見に来ました!!」って。
★(笑)楽屋に行くって、突入するんですか?
Y:はい、気合いです(笑)。
★(笑)
Y:断然気合いですね(笑)。まあ僕もバンドやってるんで思うんですけど、例えば無名の時代に東京とか行ってそこのお客さんに僕らを見に来た、って言われたら絶対嬉しいと思うんです。
★そうですね。
Y:それは・・・そんなもん・・・喋ってくれますよ(笑)。そんな感じで毎回行ってたら仲良くなって行きますよ。
★遠征先でそういう出会いがあれば嬉しいですよね。
Y:そのおかげでバックドロップとコークヘッドとハスキングビーと・・・その辺の4〜5バンド仲良くなって。バックドロップのドラムとか彼女より電話する、みたいな。
★マジっすか!?
Y:今思ったらよく相手してくれたな、って。
★その頃高校生ですよね?山田さんはもう楽器は触ってたんですか?
Y:ぎりぎりコピーバンドをし始めた頃ですね。そのコピーバンドもレスリングクライムマスターとかコークヘッドとかバックドロップとかやってました。
★じゃあ実際にそのメンバーと連絡とれるとかすごいことですね。
Y:そうなんですよ。結構高まりますね。「あそこの歌詞って何って言ってるの?」みたいな。でも関西圏のバンドに知り合いが全然いなかったんですよ。
★まあ関西にバンドの数が少なかった、っていうのもありますよね。
Y:それもありますけどね。で、卒業して、半年くらいダラダラしてて。
★大学に行ったり専門に行ったり、ってわけではなかったんですね。
Y:大学には行きたくなかったんですよ。絶対辞めるの分かってたんで。でも親は行かそうとするじゃないですか。その手前一応は受験して。まあ受験当日にライブ入れたりしてたんですけど。これは親には言ってないんですけど(笑)
★(笑)
Y:で、卒業して警備員のバイトしたりしてて、さっき言ってた高校時代の仲間と住み込みで夏休みのバイトに言って。アップ&カミングってバンドやってるやつなんですけど。
★あ、福本さん(アップ&カミングのギター)ですか?
Y:そうそう。あとボーカルのやつと3人で。普通リゾートバイトって海でしょ?僕ら山に行って。
★(笑)
Y:岐阜の温泉行って(笑)。そのアップ&カミングのボーカルが「山は涼しいって」とか言ってたんですけど、岐阜は盆地やからめちゃめちゃ暑かったんで すよ(笑)。なんかロシア人ばっかりのホテルやったし(笑)
★アハハハハ!!
Y:そこで1ヶ月朝から荷物運んで布団上げて掃除してレストラン行って夜に花火上げて終わる、っていう過酷なスケジュールやったんですけど。それが1ヶ 月あって、終わった次の日が・・・あ、その前にその1ヶ月の間に名古屋でモッシュボーイズっていうフェスがあって、それにバイト抜け出して行って、全部終わった翌日がエアジャム97ですわ。
★おー、なるほど!!
Y:全部荷物家に送って、高校卒業したての僕らが20万くらい握って、そのくせに鈍行列車で。その旅館でかっさらってきたお茶菓子をハスキンに渡してチケットもらって(笑)
★(笑)すげー。
Y:で、エアジャムを楽しんで帰ってきて、そこまでは楽しかったんですけど、京都に帰ってきたらやっぱり働かないと駄目で。四条とかでバイトの張り紙を探したりして。でもやっぱりかっこつけたい年頃じゃないですか。
★そらそうです。もてたいですよ。
Y:服屋とかそういうバイトを探してて、そしたら丁度ウーピーのライブのチラシが貼ってて、それがトーストのツアーやったんですけど、その時は岐阜帰りで裕福なんで当日券で行こうかな、って思って。そこでトイレに行ったらそこにバイト募集と。それでここに入った感じですね。
★なるほど。
Y:なんか僕勝手に話進めましたね。
★いえいえ(笑)。大丈夫ですよ。
お兄さんの影響で音楽に出会った少年は気合いCDを探し、ライブに行き、楽屋に突入し、学生時代を終えて京都のウーピーで働くことになりました。後編ではその仕事の話からレーベルの話へと続いていきます。→後編