笹山一作(ZINK)

神戸市東灘区に位置する210坪の巨大湾岸倉庫。
笹山氏所属のバンド u-lala
![]()
ZINKギャラリー
7/18(Marine Day)〜8/7(Sun)
『okumura tatsuya 写真展』
おじいちゃん、おばあちゃんにも来てほしいですね。本当にそれくらいいろんな人が来たらいいな、って。
神戸深江にある異空間、神戸zink。まるで映画のセットのような埋立て地に突如現れる大倉庫。階段を昇り、中に入るとさらに驚きが増す。そこに何があるのか、それはそれぞれの目で確かめてもらおう。誰もがそこに新しいクラブの可能性を感じるはず。彼もその一人。今回はzinkに大きな可能性を見てスタッフとなり、現在は店長である笹山さんに前編からの続きでレコード屋でのバイトからzinkとの出会い、そしてその仕事の中身を聞いた後編です。
★で、その後はどうなさったんですか?
S:まあその時から音楽の仕事をチョコチョコ始めてまして。インディーズのレコード会社のイベントをやったり、ツアーのローディーをやったり。
★バンドやりながらってことですか?
S:はい。バンドをやりながら。その後レコード店で4年くらい働きました。中古レコード店の店長やったんですよ。
★あ、そうなんですか。
S:中古レコード店の店長やったんですけど、担当はビデオやったんですよ(笑)。日本橋店でした。2階が中古のレコードとCDで3階が中古ビデオと倉庫やったんですけど、僕はその中古ビデオの担当でした。
★もしかして日本橋周辺によくいそうな人たち向けのビデオですか?
S:そうです(笑)オタクの好きそうなモノをたくさん集めてめっちゃ売れたんですよ。
★メインは音楽関係のビデオを売ってたんですか?
S:いやいや、違います。
★あ、やっぱり“日本橋系”と呼ばれるような・・・
S:そうです(笑)。アニメとかポルノとかアダルトとか。アダルトって言っても普通のアダルトじゃないですよ。めちゃめちゃマニアックな。
★あ、中身の話をし始めるとネットでは載せれないような(笑)
S:そうです(笑)。あとは特撮とかね。仮面ライダーとか。それの紙ジャケとかね(笑)
★紙ジャケ仕様ですか。でもそこは名義としてはレコード屋さんやったんですよね。
S:はい。レコード屋です。店長です。
★(笑)じゃあ大学を卒業してすぐそこで店長になったんですか?
S:1年くらい働いてからですね。
★その間もドラムとか楽器を触ったりはしてたんですよね。
S:そうです。新しいバンドを組んで。
★そのレコード屋が4年ってことは結構長いですね。ビデオを売り続けてたんですよね?
S:そうですよ。もうヤバかったです(笑)
★(笑)
S:もうオタクでしたね。ビデオ見たら大体相場が分かるようになりました(笑)。他の店行ったら買い出してましたから。一番すごかったのが、アダルトビデオ屋でね、キムウィルソンのビデオが300円で売ってたんですよ。14800円で売れましたからね。
★マジっすか?それ利益率すごいですね(笑)
S:もう詐欺ですよ(笑)
★(笑)じゃあその4年間はビデオを売りながらバンドもやりながら、他にも音楽関係の仕事はやってたんですか?
S:たまにイベントやったりしてたくらいですね。後はライブ見に行ったり。
★イベントをやったり、っていうのはいわゆるオーガナイズってことですか?
S:はい。そうです。
★なるほど。じゃあ4年も働いたビデオ屋さんを辞めるきっかけっていうのは何かあったんですか?
S:そこからね、ちょっとややこしいんですけど(笑)、やっぱりここ、zinkとの出会いですね。最初に見た時に「ああ、ええなぁ。ここで働きたい な〜」って。
★お客さんとして行った、ってことですね。一目惚れですね。
S:そう、一目惚れ。それで「働かせて下さい」って。
★あ、直々に飛び込みで行った、ってことですね。
S:はい。それで仕事を辞めてここで働くことになりました。
★最初はスタッフっていうかアルバイトですよね?
S:そうです。
★その時は別に店長がいたんですよね?
S:はい。
★zinkに一目惚れした要因っていうか、そういうの覚えていますか?
S:ここはライブハウスでもないしクラブでもないし、何か面白いことができるんじゃないか、って。やっぱりライブハウスでできる事、クラブでできるこ と、って限られてるじゃないですか。その可能性がここは広い、っていうか。いろんな可能性があるんで。そういうのを自分で考えて提案していけたらな、って。
★じゃあここのzinkを発見する前に元々何かやれたらいいな、「俺はこのままビデオ担当では終わらないぞ」みたいな思いがあったんですね。
S:そうですね。そういうタイミングやったんでしょうね。ビデオのね、シール剥がして…
★いつまでもやってる場合でもないですもんね(笑)。バンドはその時も続けてたんですよね。
S:はい。バンドはボチボチ、趣味程度に。
★ってことは今もやってるんですか?
S:はい。ドラムやってます。やっぱりバンドやってる気持ちも分かった方がいいいですし。
★そうですね。店のスタッフがバンドマンの気持ちを分かってる箱、っていうのは心地がいいですよね。
S:ああ、まあでも店のスタッフに色々いわれたら鬱陶しいでしょ?(笑)
★まあそれは言われ方とか関係とかによりますけどね。何言われても有り難く受け取れる人もいますよね。
S:「何でお前にそんなこと言われなあかんねん」っていう…
★人ももちろんいますよね(笑)
S:「分かってるから」みたいな(笑)
★そうですね(笑)。では「可能性に惹かれてzinkに入った」って言ってましたけど、実際に何か形になったものってありますか?
S:まずそのミニランプですね。
★それですよねー。あれすごいっすね。分からない人には何て説明したらいいんでしょう。ハーフパイプみたいな、“U”の字になってる…
S:スケボーとかBMXとかの競技に使われるものです。
★僕も見てびっくりしました。
S:普通のライブハウスじゃこんなの置かないし置けないでしょ?
★そうですね。じゃあこれは笹山さんが来た時にはなかったんですか?
S:そうですね。
★すごいですね。ここって埋立て地じゃないですか?その倉庫街にあるからこそ出来ることですね。このスペースはすごいです。僕も今日初めて来てびっくりしました。
S:そうですね。
★ここにスタッフとして働き始めた時は担当とかって無かったんですか?
S:特に…まあパシリですよ(笑)
★(笑)掃除もすればブッキングもする、みたいな感じですね。
S:はい。パシリです。店長ですけどパシリです(笑)
★(笑)店長っていう肩書きが付くきっかけみたいなのがあったんじゃないんですか?
S:あのね〜、家が近かったんですよ(笑)
★(爆笑)家近いから店長。
S:あと年が一番上やったんですよ。
★なるほど。家近いし、年も一番上やし、店長やれよ、みたいな(笑)
S:はい。でも頑張って働いてますよ。
★そうですよね。ここで働き始めてどれくらい経つんですか?
S:1年くらいですね。
★あ、まだそれくらいなんですね。zink自体は何年目なんですか?
S:5年目ですね。
★まだ1年なのに店長っていう肩書きを一応もらってるんですね。
S:一応って…
★あ、ごめんなさい!!
二人(爆笑)
★ほんますいません(笑)。じゃあ店長の笹山さんが感じる、この箱の魅力を聞かせてもらえますか?
S:やっぱり自分自身でやりたい遊びを見つけて、好きなことをしてzinkの中でくつろぐことが出来る場所じゃないかな、って思います。自分自身でクリ エイトする。そういう空間じゃないかな。
★はい。
S:ここに来たら絶対にこれをしろ、っていう押し付けがましい空間ではない。
★そうですね。
S:今後も色々考えてることもあります。それはまだ言えないんですが。
★お楽しみですね。確かにパッと見渡した感じでも卓球台があって、ビリヤードがあって、もちろんステージとフロアがあって、今座ってるすぐ横には iMacが3台あって。遊び方に制限が無い、っていうのは来た瞬間感じますね。開放感がすごいですね。
S:人の行動見てたら面白いですよ。イベント中に気持ちよく踊ってる人もいれば、友達とハミゴになって一人でマンガ読んでる子もいますし。
★(笑)
S:結構面白いライブもやってますし。昨日はたこ焼きパーティーやりました。たこ焼きパーティー&卓球大会(笑)
★(笑)じゃあ本当に自由に遊びにきてほしい、っていう感じなんですね。仕事やってて楽しいこと、やりがい、みたいなの教えてもらえますか?
S:やっぱりみんなが楽しんでるの見る時が一番嬉しいですね。「ありがとうございました」とか「また遊びに来ます」とか言ってくれた時は本当に嬉しいで す。アーティストにしてもそうですし。
★そうですね。
S:外人のアーティストに結構気に入ってもらえるんですよ。
★ああ、っぽいですね。
S:まあ何言ってるか全然分からないんですけどね。
★(爆笑)
S:多分「良かったよ」って言ってると思うんです(笑)
★今後自由な空間を使って考えてる事をヒント程度でいいんで教えてもらえますか?
S:おじいちゃん、おばあちゃんにも来てほしいですね。本当にそれくらいいろんな人が来たらいいな、って。あと今まではビリヤードとか卓球とか、そうい う自由空間として営業してたんですけど、今後はクラブとして音楽にもっと力を入れたくて。今機材を入れ替えたり色々努力してるんです。
★なるほど。まあおじいちゃん、おばあちゃんっていうのは極端ですけど、確かにクラブってヘビーユーザーを除けば、ちょっと敷居高い場所、っていうイ メージ持ってる人っていっぱいいると思うんですよ。でもここは入りやすい、っていうか。クラブっていう文化に触れるのにはいいかな、って。
S:そうですね。
★今座ってる場所のすぐ横にはギャラリー空間もあるんですけど、あの絵も誰かの作品なんですか?
S:はい。あそこはギャラリーです。この壁に結構絵を飾ってるでしょ?これも大体イベントのライブペインティングで書いた作品なんです。そういう“足跡”みたいなものも残せていければ、って。店が変化していく感じで。今後もっといろんなアーティストさんに残して色付けられていければな、って。まだまだ変わります。どう変わるかは僕にも分からない。
★それは誰にも分からないですね。ではそろそろ最後に読者にメッセージなんかいただければ。
S:メッセージですか。まあ一度遊びに来て下さい。
★そうですね。それに尽きますよね。僕も営業時間に一度遊びに来ようと思います。今日は忙しい中ありがとうございます。
S:いえいえ、本当にありがとうございます。