UR

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マイク・バンクスとジェフ・ミルズが1990年に結成、活動を開始したデトロイト・テクノ第二世代を代表するチーム。デトロイト・テクノ第一世代(ホアン・アトキンス、デリック・メイら)のメジャー・レコード会社との契約におけるトラブルを目の当たりにしたことが原因と見られる徹底的な自主独立の姿勢は、自主レーベルの運営に留まらず広範囲なアンダーグラウンド・ミュージックの流通機構設立にまで及び、リーダーであるマイク・バンクスは、単に音楽ユニットの代表であるのみならず、デトロイト・テクノ/ハウス・シーンの精神的支柱として存在する象徴人物として広く世界中からリスペクトを受けている。過去十余年に渡るUR関連作品のリリースは100タイトルを超え、総セールス数は1000万枚を突破しており、名実共にアンダーグラウンド・ミュージック界の牽引者であると言える。
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音楽は無くならない。永遠にだ。その状況がある限り、決して悲観的になる必要はない。
-今年2月にサブマージ軍団及びGALAXY 2 GALAXYライブとして来日、そして8月には同じくG2Gのライブと、今年だけで二度の来日がありました。そして2ndアルバムも日本で制作し、日本先行リリース。経済が強いと言えどもアジアの小国の日本です。これほどに日本を贔屓にする所以は何ですか?
UR まったく!いいか、オレたちは日本の経済力なんかどうでもいいんだ。じゃあ何か?オレたちを呼んだり、共同で何かをしたりする仲間は、金が有るからできるっていうのか?ふざけるんじゃない。それにだ、小さな国なんて言うな。大小なんて無意味だ。いいか、オレたちが日本を贔屓にしているんじゃない。日本のオーディエンスがオレたちを愛してくれていることに感謝しているだけだ。この質問はくだらない。
-ライブ、という部分をさらに聞きたいのですが、同じデトロイトのムーディーマンはフルバンドでのライブを今年、初めて敢行しました。そういった"ライブ"という感覚はクラブ・ミュージックの世界で同時多発的、シンクロ的に広まっています。この現象はインターネットを始め、情報が氾濫している今だからこそ、それへの対抗手段からくるものなのだろうな、と感じています。これについて意見をお聞かせください。
UR ミュージシャンなら、演奏というものが音楽創造の原初であり本質であることは誰もが感じているはずだ。他の連中はどうだかわからないが、オレたちはただその本質的行為に対して欲求が高まっているだけだ。そもそもURは初めからライブの要素があったしな。そしてオレたちがライブを重要視する最も大きな理由は、オレたちが演奏できるということだ。
-06年2〜3月には来日ツアーと同時にセミナー/カンファレンスを開催されます。セミナーという行為自体、URにとって98年の1stアルバムリリースのタイミングでスコットランドで行った以来、二度目のことだと聞きました。これを日本で行おうという思惑を教えてください。
UR これはすごく特別で例外的なことなんだということをまず知っておいてほしい。URは音楽による闘争を選択した存在であるから、公の場で、直接的なコミニュケーションをとることは基本ない。しかし前回のスコットランド同様、音楽以外の手段で伝えたいことや話し合いたいことがあるからだ。前回のスコットランドは今から7年前。当時、箍の外れたレイブ・カルチャーがドラッグ・カルチャーとほぼ同義的に結合して、イギリスはめちゃくちゃだった。毎晩毎晩、街のどこかで過剰摂取で死んでいってる若いヤツらが大勢いた。その少し前にURがリリースしていた攻撃的なアシッド・サウンドによって、間接的に、そのどうしようもないカルチャーに加担していたんじゃないかという自責の念から、セミナーを持った。そんなバカなことを止めさせたくてな。いいか、ドラッグやその文化はプログラマーが仕込んだ最も強力な罠だということを忘れるな。そしてその文化で飯を食っているヤツらは邪悪なマザー・ファッカーだ。日本はどうだ? この10年で、結構ヤバくなってきてるんじゃないか? まぁ、今回はそういったシリアスな問題だけではなく、ざっくばらんに日本の若い世代とコミニュケーションが取れればいいと思っている。
-そもそも、URの音楽は"ダンス・ミュージック"と認識していいでしょうか? 今もなお、ダンス・ミュージックやクラブ・カルチャーは"抵抗"に有効でしょうか?
UR それは聴いた人、それぞれが認識すればいいことなんじゃないか? カテゴリーもプログラミングの一種じゃないか? しかもダンス・ミュージックやクラブ・カルチャーが、必ずしも何かに抵抗しているとは思わないし、仮に抵抗しているとすれば、それは音楽そのもではなく、姿勢やアティテュードなんじゃないか? オレらのサウンドだってそうだ。「Hitech Jazz」や 「Big Lake」のサウンドから抵抗のイメージなんか浮かばないだろ。じゃあ、その曲を作ったときにレジスタンズ・スピリッツがなかったかと言ったら大間違いだ。 「フリーズ(止まれ)」を「プリーズ(お願い)」と聞き間違えて、射殺された日本人の事件に憤りを感じていたからな。あんなバカげた事件を生み出す、アメリカ銃社会の本質に心底ムカついていたからな。それで、「Hitech Jazz」のヴァイナルに彼に対するメッセージを刻んだんだ。音は美しい、でも姿勢は抵抗してる。そういうことだ。
-「実験性」や「斬新さ」を前提に置くのは、なぜですか? 例えば、実験的でも斬新でもなくても、人の心を動かす音楽や反抗の音楽になり得ます。決して実験精神を否定しているのではないのですが。
UR それが"テクノ"であり、ブラック・ミュージックの根底だと思うからだ。これはカテゴリーの話じゃない。姿勢であり、哲学だ。そして、それをオレたちは選んだんだ。さらに君の言う実験性とはいったいどういう定義だ? ひょっとしてジミ・ヘンドリックスは実験的で、ボブ・ディランはオーセンティックだと思うのか? それは間違いだ。ディランの中にも、言葉の実験性があったはずだ。そして、その実験性にジミが突き動かされていたんじゃないか。オレたちの言う"実験性"や"斬新さ"は決して表面的なものではない。
-URにとって音楽は"抵抗"のスピリットを伝える、提示するための媒介物ですか? だからこそURの音楽はダンスフロアを熱狂させる音楽となるのでしょうか?
UR 媒介物...確かにそうだが、そこに活動姿勢が重要なものとして存在していることを忘れないでほしい。例えば、オレたちは音楽活動にまつわるすべてを自主独立で貫き通してきた。そのことも、自らの意識を伝える重要な要素であり、媒介足り得ていると思う。しかし、だからといってオレたちの音楽がダンスフロアを熱狂させる音楽となっているのかどうかは、何とも言えない。そう願うだけだ。
-URの考えを伝える最上の方法はライブでしょうか? DJでしょうか? 音源でしょうか? CDやレコードに同封される、もしくは刻まれるメッセージでしょうか?
UR そのすべてだ。
-ここ数年、iPODやiTUNESなどといった「ダウンロード」するという新しいメディアの大躍進が目立ちます。すでに、レコードやCDといった既存のメディアに加わるものだと思います。悲しいかな、このメディアが変われば、音楽の捉え方自体が変化する可能性があります。20世紀初頭に登場した録音機器やラジオがそのいい例です。こういった流れに対して、意見をお聞かせください。
UR 新しいフォーマットが誕生するたびにこういう議論が持ち上がる訳で、意外に思われるかもしれないが、そんなに悲観もしていないし、否定的でもない。先にも述べたが、用は使い方と利用の仕方であって、つねにポジティブな面を追求すればいいんじゃないか? 音楽は無くならない。永遠にだ。その状況がある限り、決して悲観的になる必要はない。
-大阪にあるクラブ、UNITER UNDERGROUND鶴の間(先日、DJ S2がプレイしました)はその名の通り、"各地に存在するアンダーグラウンドをユナイトさせる"ということを目指しています。僕はこの考えに希望を見ています。この考えについてご意見をお聞かせください。
UR その場所がどうかはわからないが、アンダーグラウンドをユナイトさせることができるとするならば、それはクラブという装置やパーティーという現象ではない。一体感とユナイトは別次元だ。アンダーグラウンド・シーンをユナイトさせることができるのは、人だけだ。しかもシリアスな人間だけだ。
-今や"アンダーグラウンド"という言葉は安易に使い回され、消費されるだけの陳腐な形容詞にまでなってしまっています。現在、URの実践する"アンダーグラウンド"という精神、姿勢を教えてください。また、その精神のなかで活動当初から今に至る中で、変化した部分、変化しない部分を教えてください。
UR 陳腐になったのは"アンダーグラウンド"という言葉ではない。使用する人間、活動が陳腐なだけだ。"アンダーグラウンド"が消費されることはない。
-最後に。日本のリスナーに一言、メッセージをお願いします。
UR 今回の作品が、これまでのようにみんなの心に響いてくれることをまず願う。そして、日本の若い世代が俺たちのサウンドや姿勢に対し、どんな返答をしてくるかを期待する。
とまあ、これがメール・インタビューの全内容だ。質問と回答は削除することなくすべて記載した。 来年(06年)の2?3月の来日ツアーでは、より"ライブ感"を重視した最新のセットでライブを披露する、かもしれないそうだ。また2ndアルバム・リリースのタイミングに合わせ、長らく廃盤だった1stアルバムも初国内盤化、同時発売されている。その他、詳しくはUGのサイトで確認してくれ。 。