Kaoru Inoue

Kaoru Inoue
DJ活動と平行して'94年より音楽活動を本格的にスタート。CHARI CHARIとして2枚のアルバム「SPRING TO SUMMER」「IN TIME」は日本のみならず海外でも高い評価を得た。アルバムからカットされた「Aurora」は世界中の様々なMIX CD、コンピレーションCDに多数収録され現在も世界中のダンスフロアでプレイされ続けるクラシックスに登り詰めている。2003年に自身のレーベル「SEEDS AND GROUND」を立ち上げ、「Aurora」制作時のパートナーであるDSKとギター・インスト・ユニット「AURORA」を結成しデビューアルバム「FLARE」をリリース。そして2005年7/30にKAORU INOUE名義では初、ソロ作品としては3年振りとなるニューアルバム『THE DANCER』をリリース! またCHARI CHARIの3rdアルバムも近日制作開始予定と精力的に制作活動を行っている。DJとしてはレギュラーパーティgroundrhythm @ AirとFloatribe @ Unitを中心に全国各地で活動中。
http://www.seedsandground.com/

『THE DANCER』
(SEEDS AND GROUND)
発売中 2,940円
希望はいろんな形であるんで、警察に踏み込まれても希望は捨てない。

-パーティーだったりクラブだったりで、DJというのはどういう役割だと考えていますか?
K DJは、その場の音楽のオーガナイズをちゃんとする、裏方的でいいと思ってて。でも今はそういうふうになってなくて、ミュージシャンというか、そういうのの変わりみたいになっているから、アーティスト性が重視されてたり。それはそれで文化として面白いなとは思うんですけど、ときどきそれが過剰な感じがする。でもそういう文化が育って、そこからもダンス・ミュージックを作る人がでてきたりして成熟していくんだろうし、悪くはないんでしょうけどね。
-ただ前面に出過ぎているのも、どうかな、と?
K そうですね。でもクラブって基本的に音がメインになるわけじゃないですか。だから裏方とはいえすごい重要な部分でもあるんで。お客さんにもよるんですけどね。クラブでもいろんな要素がありますからね、普通にナンパしにきていたり、酒がただ飲みたいっていうのもあったり、そういういろんな要素を持ったお客さんを自分の持ち駒でどれだけ楽しませられるか。
-03年に井上さんに取材をした際に「商業主義的になっていく東京のクラブは、重大な何かは失われている」とおっしゃっていました。そして、「札幌のプレシャス・ホールはパーティーをする場をちゃんと考えている」とも。05年の現在のクラブのシーンへの思いを聞かせください。
K 状況、どうなんでしょうね、一時よりいいのかもしれない。大阪も元気な感じしますよね。東京は例えばageHaはハコに客が付いてて、来てる人はほんとに雑多な感じでギャル、ギャル男みたいな人もいるんだけど、あそこまでデカいとそこに必然的に参加するんですね。いろんなやつが一緒になって盛り上がったりするんで、ああいうのはおもしろい。 プレシャスは何度か行って思ったんですけど、「ハコとしてこれだけのものを提供するから、そこでDJするんなら100%いいものを聴かせてくれ」っていうすごいコアなところで。そういうクラブに対するハードコアさっていうのは東京でできるのかって言ったら出来ないだろうし、大阪でも出来ないだろうし。あっ、でも(大阪の)鶴の間はそういうノリでやってますね。そういうシーンがあり、もうちょっとコアになりすぎないっていうシーンがあり、いろんなのがあっていいんじゃないかなって。こうあるべきだっていうのはあまりない。
-お客さんに、こういうふうに遊んでほしいっていうのはありますか?
K どうせクラブに遊びにくるんだったら飲んだくれ過ぎないで、もうちょっと音に向かってみて踊り尽くしてもいいんじゃないかなって。人間の快楽性に基づいてる気がするんですね、ダンスって。
-DJだけじゃなく、ライブをされたりはしないんですか?
K ダンスモノをライブでやろうっていうのはあんまり思ってないですね。でもCHARI CHARIは来年バンドでライブできるようにしたいなと思ってて。
-おおっ! そういえばCHARI CHARI名義でも制作を開始されるそうで。
K ある程度バンドのメンバーになるような人と共同作業で作っていこうかなって。来年くらいから。
-FINAL DROPは今はどういう状態ですか?
K 休止してますね。三月に代官山UNITでやったライブを映像も音も全部録ってて、それをライブDVDで出そうっていう話があって進行してたんですけど、今はいろいろあってストップしてる。でも次回作を屋久島に行ったような感じで、またどっかにみんなで行ってやろうっていう話もありますよ。具体的には何も決まってないけど。それも来年くらいに。
ミックスCDも来年に出そうかなって。00年に『groundrhythm』っていうのを出して、その第二弾をやろうっていう話が今あって。それも年明け早々で出来たらなって。あとはアルバムから「KEEP
ON」と「THE DANCER」をアナログ・カットしようと。リミックスも入れて。
-リミキサーは決まっているのですか?
K いや、それがまだ決まってなくて。ノリウェーのアーティストから直接メールがきて。「アルバムを聴いたんだけど、この曲をリミックスしたい!」って。その人にしてもらおうかなって。
-リンドストームとかあのあたりですか?
K そこまで有名じゃない。トッド・テリエっていう、リエディットをやってたりしてる人で。まだマニアックな知名度しかないけど。あとは一緒にパーティーをやってる岩城健太郎にもリミックスしてもらおうかなって。
-いろいろと同時進行で、ごっちゃになったりはしないもんですか?
K それはないですね。それぞれ音楽性が違うし、なるべくいろんなアウトプットをもってやったほうがそれぞれ刺激しあって、おもしろいんでね。
-最後に。井上さんから見てクラブやシーンについて思うところは?
K 混沌としてて、食い合ってるけど、そこに遊びに行くような人間は減ってないですからね。もっと増えてほしい。10月10日にお台場海浜公園であった"渚"ってパーティーも、すごい規模ですからね。いろんな種類の音楽のエリアがあって。そういうホントの意味でのクロスオーバーなパーティーがもっとあったら楽しいなって思いますね。
-"渚"は楽しそうですよね。あんなのは大阪でもあってほしい。
K あとね、90年代っていうのはクラブ・ミュージック自体がすごく注目を浴びるきっかけがあったなって思うんですよ、ドラムンベースとか新しい音が出てきてたっていうのもあって。そういう新しい何かが劇的に生まれてるっていうのは最近あんまり感じなくて。すごくコアなレベルでは細かい進歩はあるかもしれないけど。大きな変化というか、そういうのがまたあってもいいのかなって。でもそういうのがない分、文化としては発展して成熟してる感じは受けるんですね。音楽もカルチャー自体も。ちょっと供給過多かなって思うところもあるけど。今後どうなっていくっていうそれは予想は出来ないけど、行き先はすごく楽しみ。 希望はいろんな形であるんで、警察に踏み込まれても希望は捨てない、と。