土俵ORIZIN

土俵ORIZIN
95年、大阪を中心とするMC&DJ集団として出発した土俵ORIZIN。INDENを中心に彼らの音に対する貧欲な好奇心は様々なスタイルの音楽を吸収し幾多のメンバーチェンジを得て2000年今日のラインナップに定着する。土俵の活動において精神的支柱となるのは「音楽に対する妥協のなき好奇心」といえるだろう。メンバー各々がそれぞれに感性を共にするアーチスト達と作り上げてゆく音や感性は、土俵ORIZINというホームグランドがあってこそ成立するものであり、一人一人が受けた感性はやがて土俵を形成する音の一部としてメンバーを互いに作用しあい、新たな種子を実らせてゆく。彼らのその多彩な交流やコネクションはその賜物であり、常に異種混合が行われ、アブストラクト、アンダーグラウンド・ヒップホップ、エレクトロニカといったイメージでは一括りには出来ない自分にしか出せない“何か”を音で表現すべく、日々嬉々と格闘を続けている。
決してメディアに登場する機会が多いとはいえない彼らだが、本当に音楽を愛するリスナー達にとって土俵は信頼できる数少ないコレクティヴとしてすでに認識されている。『土俵MAGAZINE』と題されたミックステープ/CDはすでに10タイトルを数え、日本全国のヘッズ達に常に新鮮な音楽を提示し、大きな反響を得ている。それが多くの人々に支持されている事実は今も新作のみならず初期作品もコンスタントに全国で好セールスを記録している事でも実証済だろう。彼らの活動の拠点となるパーティー“土俵”は不定期ながら常に地元関西のみならず広島や岡山、名古屋から多くのHEADZが駆けつけ独特の熱気を帯びている。今や関西を代表するアンダーグランドパーティーに成長、新しい音と人との出会いを演出している。
土俵は常に留まる事なく進化し続けるアーチストコレクティヴであり、そして常に共鳴するリスナーと共にある。

土俵ORIZIN
『土俵 - GRAIN OF IMAGE』
DO-HYO(www.do-hyo.com)
発売中 2,730円
「土俵:GRAIN OF IMAGE」RELEASE TOUR
3/3(金) @ 熊本INDIGO/096-355-2654
3/4(土) @ 福岡KIETH FLACK/092-762-7733
3/10(金) @ 広島SEXUAL APEDITE/082-244-5541
3/17(金) @ 福山MONDO CAFE/084-931-8655
3/18(土) @ 松山HAGAKURE/089-913-0669
3/31(金) @ 大阪ROCKETS/06-6649-3919
4/1(土) @ 神戸CLUB PI:Z/078-325-8787
4/15(土) @ 姫路fab-space/0792-22-2882
4/22(土) @ 新潟音楽食堂/0258-32-9336
4/29(土) @ 徳島UNDERGROUND
その他、東京、京都、仙台、釧路などで調整中
TOTAL INFO
www.do-hyo.com
以下同文にはなりたくなかったし、その他大勢には入りたくなかったから。それがヒップホップやから。
関西地下ヒップホップの雄、土俵オリジン地平に現る。
同クルーの中心人物であるMC、INDENがDJクラッシュのアルバムに参加して早
4年、遂に彼らがオリジナル音源をコンパイルしたアルバムをドロップしたのだ。
「10作以上に及ぶミックステープ/CDシリーズ『土俵MAGAZINE』ですでに全国のコアなリスナー達から熱い支持を受けている土俵オリジンが、05年末、遂にオリジナル音源をコンパイルしたCDアルバムをドロップ。土俵オリジンという共同体を中心にメンバーそれぞれが音楽的好奇心、刺激そして数々の体験に裏打ちされた自信とで生み出した12曲をパッケージ。クロスオーバー化が進む音楽シーンを土俵独自の視点で体現化した音のドキュメンタリー」(リリース資料より抜粋)
そう、ヒップホップのネクストは、ここにもある。数々のレジェンドが切り開いてきた道を追いかけ、やがてそこから彼らは逸脱し、飛び立っていく。関西の誇るべきヒップホップ・クルーの真摯なシリアスな音を、聴くべきだよ。
※ ARCHITECTは実際は土俵のメンバーではないが、INDENにトラックを提供したという点、同アルバムのマスタリングを手掛けたという点で、彼にもインタビューに参加してもらった。
―ミックステープ/CDはリリースしていたものの、オリジナル音源としては初となります。全12曲のうち、INDEN:2曲、KANAMORI:1曲、WESSUN:3曲、HAL:1曲、PWU:3曲、halptribe 1曲、AGASSI:1曲となっています。一枚通してのコンセプトは設けましたか?
INDEN(以下I) これをこうしよう、こうしてアルバムを作ろう、っていうのはなかったけど、僕らはそれこそ10年以上前からヒップホップを体感して、自分なりの解釈をしたヒップホップがそれぞれ年月のなかで育ってきたわけで。そういう自分達なりの解釈のヒップホップが伝わればいいかな。それは暗黙の了解で自分らが貫いているところで、口にせずとも音に表れるだろうって。
―“ヒップホップ”という部分はやはり意識しているのですか?
I 昔はそのことを喋ったりもしたけど、今は話さずとも、当時ドカーンってヤラれちゃった人間が、ここでまだその一発目の衝撃を身体に残したままやってるっていう時点で、もうあるわけで。だから今はそれぞれもっと自由になったかな。やりたいことやりたいようにやろうよっていうふうに。

ARCHITECT(以下AR) メインストリーム(のヒップホップ)が出てきたときくらいから、探すレコードは変わったかな。それくらいから見るコーナーがだんだんずれてきた(笑)。自分の考えもずれてきて…ずれたんかな? ずれてないな、絶対オレらのほうが真直ぐ行ってるよな。
WESSUN(以下W) 人の真似しててもアカンと思ったからちゃうかな。以下同文にはなりたくなかったし、その他大勢には入りたくなかったから。それがヒップホップやから。
―全体を通したときも気持ちいい流れになっています。
I 曲順はみんなで決めたかな。みんなDJやからね。こういう流れでいったら一番気持ちいい、っていうのは、本職やからね。
W 幾通りもあるなかからたまたま出た、というか。必然的やった。
AR KANAMORIのインタールードっぽい曲が出来たときにバンッと決まって。
I うん、あの一曲で変わったな。
KANAMORI(以下K) あれはインタールードというかスキットみたいなのを意識して作って。土俵の写真を撮るために全員で山のほうに行ったときにロープウェイに乗ることがあって、そのときの会話とかの音をサンピリングしてて。ちょうどその頃は「これから形にしていこうぜ」って動き始めた頃やったから、それを曲にしようかなって。
―曲は基本的にそれぞれが一人で作ったのですか?
AR ラップの曲に関しては違うかな。
W 出来てからまた音足せとか言ってたもんな(笑)。
AR 最初、「黒い月の裏側」はBPM90くらいでINDENのラップを録ってて。で、HAL君が遊びにきてるときにBPMを下げて鳴らしてみたことがあって。じゃあ「これっしょ」みたいになって、結局そっちに変更して。
AGASSI(以下AG) 元のヴァージョンもいい。
AR そう。AGASSIと僕は原曲が好きなんですよ(笑)。実際アルバムに入ってるほうがリミックスみたいなもんで。あと、「言葉はいつでもあとからくるから」のほうは、PWU君のネタも入ってて。
I そうそう、たまたま土俵のミーティングのときに、KANAMORIがCDJで遊びながらPWUの曲と「言葉は〜」のデモの段階の曲をミックスし出して。そこから「これちょっとやってみいひんか?」って。そこから。
AR これはみんなで作った感じがするな。
W 俺は誰に言われたわけでもないのに自分で勝手にどんどんやり直して。何十回も作り直した。ギリギリまでリミックスし続けて、シーケンスが増えてグチャグチャにやってあんな曲に。今回のコンピに関して作った曲は、市販で売ってるレコードには繋ぎようがないような、明らかに突出するようなものをワザと作ったかな。これまでDJでかけてきたりしたレコードから影響受けてるけど、それを自分の曲にそのまま収めるようなものは作りたくない。そうじゃないと日本でやる意味が無い気がする。DJにしてもそうやし。お決まりのことをしたら間違いないのはわかるけど、それをそのままやったらカッコ悪い。それは心掛けてる。できるけどしない。
―クルーでありながらも、土俵はメンバーそれぞれが個々でさまざまな“課外活動”をやっていますよね。例えばKANAMORIさんはフリージャズ・バンドのあぶらなぶりにターンテーブルで参加していたり。
K あぶらなぶりはね、初めて見たときすごい衝撃やって。涙した、見たとき。
―きっかけは?
K DEEP COUNTのNOBUさんですね。
I 俺とNOBUさんが出会って、NOBUさんが「あぶらなぶりっていうのがいてるから」ってことで紹介してもらって。で、なんじゃこれ!? って思って。で、“土俵”でもライブしてもらって。それくらいから交流があるようになって。
K やっぱりフリー、即興なんで、その場の感覚の音を表現する、っていうのは難しいけど挑戦してる。力強い人が多いから、人間的な部分で影響を受けてもいるし。
―INDENさんはドラムンベースのMCもされています。
AR あのときは5歳若返っとんな(笑)。
―あれってお客さんを煽るわけじゃないですか? 土俵でのINDENさんとは違ったスタイルだな、と。
I ラップのときはぐーって入っていって中でバンって爆発してくれればなっていうので。ドラムンベースのMCはうわーーーってどんどん煽る。あれは面白い。一個の打楽器的な感覚で、例えばブレイクがスパッてきたところでラップを入れて、16小節いった、ここから次入るなって引いたときにドンって入ってきたりするから。
そのときは、「よし、決まったワンメイク」みたいな(笑)。DJとの駆け引きとかもおもしろいし。
W サッカーみたいやな。ドラムンベースの音とサッカーは似てるよな。
K わかるわかる。ドラムンベースはサッカーのイメージ。汗がさらっとした爽やかな汗で(笑)。
I お客さんとかもスカッとしてるもんな。
―あと、ポエトリーリーディングもされています。
I ポエトリーリーディングは、あぶらなぶりと出会った頃に何度かセッションでさせてもらって。そこから何度かする機会があって。クラブと違ってみんな座ってて、客層も10代の感受性バンバンの人から80代くらいのお爺ちゃんまで、そのお爺ちゃんがノートに詩をとりながら聴いている、そんな会場に呼ばれたこともあって。今までラップで、リズムにのって韻を踏んで、ってしてたけど、詩の朗読っていうのは何にもない、言葉だけの勝負で、ごまかしようがない。あれはほんとに、言葉の強度みたいなのを改めて実感して。まだまだやなって。いい勉強になった。機会があれば、またやりたい。もっと強度の高い詩を書いて挑戦してきたい。でもあれは恐怖でもあって。全部覗かれてる感じがして。メインストリームとかロックとか、いろんなジャンルの人たちにもやってほしい。音楽にのせずに一度詩の朗読にチャレンジしてみたら、発見するところが多いと思う。
―他のメンバーのかたはどういったことをされていますか?
HAL(以下H) AMAGUっていうバンドがあって、タブラとパーカッションとパッチギターと打ち込みが入って、僕はそこにスクラッチで。気楽に活動しているくらい。
AG ビスケット・ボーイズってヒップホップ・バンドもしてる。
AR R.U.D.Eっていうセッション・ユニットみたいなのをしてて、ダブ的な音にHAL君、PWU君、WESSUNが変わり変わりに入ってもらったりもしてて。
―「土俵」というのはどういった集団だと自身では位置付けていますか?
I ここに夢があるというか。音楽的には、このアルバムを聴いてもらったらわかるように、それぞれが全然違う方向にベクトルが向いてて、でもガツッとクルーを組んだときに、そこに統一感みたいなのがあったら、聴く側にしてもまとまって聴きやすかったりするかもわからないけど、自分の行きたい方向に行きたいのに、こういうカラーで統一しようよ、とかそういう組織ってどうなのかな? って。そうじゃなくて、行きたいのならどこまでも行けよって、後押しする、そういう関係が筋なんじゃないのかなって。出発地点はヒップホップで、あの場所から音は変わってるけど、言ってることがまとまらくなってきたな(笑)、そのときに話した、レーベル起こそうよとか、トラックは作られへんけど、毎日MPC叩いて作っていこうよとか、あのとき確認したことは未だに忘れずに精進してるから。そういうところで繋がってる。あのとき話したことは現在進行形で、終わることのないことを約束しちゃった仲やから。

―土俵の目指すべきものは何ですか? 06年の展望も含め教えてください。
I 今、AGASSIとARCHITECTを中心にトラックを作ってもらいながらソロ・アルバム作ってて、これがおもしろくなりそうな感じなんで、今年には届けたいなって。あと土俵が10周年なんで、夏くらいに面白いことをしたいなって。
W まあ去年と同じ感じで。まだまだだと思ってるんで、DJにしても曲にしても。DJプレイで喜怒哀楽を感情を出せるDJになりたい。踊らせるだけじゃなくて。切なくなったり、喜と怒のあいだにももっといろんな感情があるから。感じたことない感情に襲われるようなDJをできるようになりたい。
AR 今年はINDENのトラックを作りつつ、自分名義の音源にもINDENにラップしてもらおうかなって。
K DJに関してもトラック制作に関しても、自分が感じたことを表現できるように、もっと引き出しを増やしていきたいなって。他分野を覗いていきつつ、そこから吸収して、もっと素直に表現できるように。
PWU バトル・ブレイクを作りたい。コスったら気持ちいいような音を集めて。それと自分のなかでいろいろ思っているものをなるべく形にしていきたいかな。
H 日々精進で。土俵以外にも人間的に尊敬できる人もいっぱいいるから、そういう人から吸収したものを自分のフィルター通して表現できたらいいなって。
I 個人的な意見やけど、シーンや周りに対しては何も望んでない。やりたいヤツはやったらいいし、辞めたかったら辞めたらいいし、好きならばやりなよ、ぐらいなんで。
結成10周年を迎える今年、土俵オリジンはいよいよその動きを活発化させる。INDENのソロ・アルバムや各DJのアナログEP、またコア・ヘッズ必須の『土俵マガジン』も最新作をhalptribeミックスで2月に発売する。3月上旬から4月下旬にかけては全国に渡ってリリース・ツアーを回るそうだ(左記参照)。このアルバムとツアーを経た全国の反応が、楽しみだ。