AOKI takamasa×RYOICHI KUROKAWA

AOKI takamasa×KUROKAWA RYOICHI
1976年大阪府出身、現在はフランス・パリ在住。2001年初頭にPROGRESSIVE FOrMから自身にとってのファースト・アルバム「SILICOM」をリリースして以来、コンピューター/ソフトウェア・ベースの創作活動を中心としな がらも自らの方法論を常に冷静に見つめ続け、独自の音楽表現の領域を力強く押し広げる気鋭のアーティスト。2005年はTsujiko Norikoとのコラボレーション・アルバム、そして半野喜弘と田中フミヤが新たに立ち上げるレーベルop.discからのシングル及びアルバムのリ リースを予定しており、さらなる活発な活動が期待される。
1978年生まれ。映像/音響アーティスト。オーディオヴィジュアル作品を、レコーディング、インスタレーション、上映、ライブパフォーマンスなど、 様々な形態で発表している。緻密で繊細な音と映像で構成される作品は国内外で高い評価を得、多くのフェスティバル/展覧会へ招聘される。2005年に入 り、バルセロナでのSONARを初め、ロンドン、ベルリン、チューリッヒなどでの多くのアートフェスティバルで展示 /上映されるなど、より国際的な活動へと進展している。
世界はもっとすごいと思ったんですけど、世界中回ってみたら、やっぱりリョウ君が一番すごかった。(AOKI takamasa)

映像が浮かぶ音がある。音が聴こえてくる映像がある。そして時としてそれらは同時に鳴り響き、また映し出され、我々を未知なる世界にいざなっていく。音 と映像。この二つのアートフォームが接近し続けて久しい。そしてその可能性を導き出し続ける二人がいる。
それはAOKI takamasaとRYOICHI KUROKAWA。彼らのショーは熱い。びっくりするくらい熱い。めまぐるしく、そして軽やかに変化するリズムと上音。その音に合わせてしなやかに変化 しながら目に、そして脳内に飛び込んでくる映像。パソコンを前に大きく体を動かしながら、また時に二人で耳打ちをしながら、とにかくフィジカルに訴えか けてくる、“エモい”ものであった。そして僕はこれまで抱いていたエレクトロニカ・アーティストのライブの印象を全て捨てた。
「飽和を向かえた」とも言われるエレクトロニカシーンを、まだまだ面白くするこの二人。彼らのショーの熱さとはどこからくるのか。音と映像の可能性をど う見ているのか。そんな対談は二人の仲の良さと人懐っこさがひたすら記憶に残る時間であった。
★まずお二人が一緒にライブをやるようになったきっかけや経緯を教えてもらえますか?
AOKI TAKAMASA(以下A):それは今回ですか?
★いえ、ではまず最初の時の話を聞かせてください。
A:う〜ん、いつだろう・・・
RYOICHI KUROKAWA(以下K):大学の時やね。
A:そうやな。あの時やな〜。
K:大学の時にアーティスト同士っていうより友達同士で。
A:あれいつやっけ?大学でやったやつ。
K:なんか外でやらんかったっけ?
A:どこやったっけ?
2人:・・・
★(笑)
A:もう覚えてない(笑)
★じゃあ元々仲が良かったってことですね。
A:そうです。高木君とかもみんな仲が良くて。高木君が映像をやる前に黒川君が映像をやってたんです。黒川君の家に遊びに行った時に作品を見て高木君も映像やりたい、って。昔からみんな仲良しですね。
★じゃあいつのまにか一緒にやってた、っていう感じですね。
A:そうですね。
★ここ最近ではイベント等で2人でやってますよね。それはどういった経緯があったんですか?
A;僕はいろんな映像アーティストの作品を見せてもらってて、やっぱり黒川君の映像が今一番スタイリッシュで、自分が求めてるモノそのままやったんです。昔からすごい「かっこええな」って思ってたし。自分が音で表現してることを彼は映像でやってるような気がして。だから一緒にやるのは全然問題ないし。
★なるほど。
A:何か言われたんやっけ?一緒にやるの。
K:今回?
A:うん。スイスかな。その前は何やったっけ?
K:YCAM(山口情報芸術センター)?
A:ああ、YCAM!!
K:YCAMがすごい楽しかったんですよ。機材とかもすごく揃ってて。設備がすごく整ってて。
A:今までは志は高くやってたんですけど、僕達のスペックって、そこにあるサウンドシステムとか映像のシステムに依存してしまう部分があるので。どうしても思った通りには出来なかったんです。例えばF1のマシンをF1用のサーキットで走らせてない、って言うか。本領を発揮出来てないことが大分多かったんです。で、僕が半野さんと山口県の情報芸術センターっていう所でライブさせてもらうことになった時に、下見に行ったら「これはリョウ君が来ないとあかん!!」って思って(笑)
★(笑)
K:元々は映像は無しの話やったのに。
A:そう。無しやったんですけど。
★そこはまさにF1のサーキットやった、っていうことですね。
A:うん。ここは絶対に映像の場所や、って思って。山に投影出来るくらいのプロジェクターがあって。投影のサイズも信じられないくらい、10メーター×10メーターくらいあったんかな?サウンドシステムも申し分無くて。これは僕が一人でやるよりも、リョウ君と一緒に映像もやった方がお互いにとってプラスになると思って。その場ですぐ電話して(笑)
K:そうそう(笑)
★なるほど(笑)。今青木さんが思う黒川さんの映像に対する思いが聞けましたけど、逆に黒川さんが感じる青木さんの音の魅力っていうのはどういったものなんですか?
K:もう純粋にかっこいいですよね。周りにたくさんミュージシャンはいますけど、タカマサ君の音って昔から知ってるけど、新しい、みたいな。
A:それは僕もそうですね。リョウ君の映像は昔から知ってるけどいつも新しい。
★なるほど。お互いに高め合ってる感じなんですね。
A:昔からそういう状態やったんです。友達がすごいことやってるから、世界はもっとすごいと思ったんですけど、世界中回ってみたら、やっぱりリョウ君が一番すごかった。
★すごい良い関係なんですね。青木さんは元々SILICOMという映像と音楽のユニットをやってて、黒川さんは映像をやりながら自分で音も作ってますよね。まず、青木さんにミュージシャンとして映像に求めるものや、どういった必要性を感じているのか教えてもらえますか?
A:あの当時は僕はソロでライブをやってたんですけど、僕のことを全く知らないVJが使い回しの映像を勝手に投影されてたんです。
★そういうことはよくありますね。
A:もう本当に「エー!?」っていうような。そういうのが本当に嫌やったんですよ。それやったら映像は無しでやってほしいくらいの。で、よくよく考えてみたら、映像と音を一緒にやってる人ってあんまりいなかったんで。その時に高木君も映像をやってる中で発表の場を探してたから、それなら一緒にやろう、ってなったんです。
★なるほど。
A:やっぱり自分のことをあまり知らない人に適当な映像を合わしてほしくなかったから。信用出来る人にお願いしてやりたかったんで。
★今もそういう思いが強いですか?
A:そうですね。信頼出来る人がいいですね。リョウ君の場合は任せてて全然問題無いんで。"間違いない"っていう言葉がまさに合いますね。その辺は安心し切って任せ切りです。
★では黒川さんにとって音っていうのはどういう位置づけになるんですか?
K:僕は自分の作品を創る時には"映像"とか"音"とか分けてなくて、 一つの"単位"というか、"オーディオヴィジュアル"っていう言語で表現してる感じなんですけど。ただ、青木君とかとやる時は僕は映像なんで、音と映像は別のモノなんですけど、やっていく内に混ざっていく、って言うか。
A:一緒になるよな。
K:うん。本当に。
★そうなんですね。そもそも一緒に住んでるわけでもないですし、ましてや青木さんは現在パリに住んでますよね。2人で一緒にやるライブがある時に、そのライブのセットはどのようにしてるんですか?お互いに持ってきたモノを合わす感じなんですか?
K:それが多いですね。
★さっき言ってたお互いの信用が成せることですね。
A:そうですね。ドキドキするけどね(笑)
K:うん、ドキドキする(笑)
A:一応事前に「こんな感じになるかも」っていうような音は渡してあるんですけど、本当にそれくらいで。ライブ中に「この辺で盛り上がるから!!」とか「この辺でちょっと早くなるから!!」とか言いながら(笑)
K:そうそう。
★じゃあ即興的というか、お互いに完成系は見えないままライブに向かうんですね。
K:そうなんです。終わった後にビデオ見て「あ、こんなんなってたんや」って。(笑) A:自分達のクローンにライブをやってもらってフロアから見たいな、って思うんですけど。それは無理なんで。